人材アセスメントの基礎

私は、20年前、日本経営行動科学学会の初代会長でいらした名古屋大学大学院の若林満教授(当時)に教えを受け、監修頂き、いわゆるアセスメント研修プログラムとして、中産連アセスメントプログラム(CAP)の開発に参加した。もちろん私の所属する中部産業連盟は、60年以上の歴史があるから、これ以前にも行動科学を用いたプログラムは種々あったのであるが、アセスメントを現在の形にきちんと編集したのがこの時である。以来、数えきれない数多くのこのプログラムの受講者、その活用企業の教育、人事のご担当者ととともに、マネジメント行動とは何かをずっと考えてきた。それは今や私のライフワークに近い。

他方、受講者からもおりおり、「研修テキストは、あれはあれでよいのだが、あとで読み込むようにできた文章でまとまった書き物はないのですか。」との要望も頂戴してきた。2007年に上梓した「ポスト成果主義の人づくり組織づくり」は、それにこたえるためでもあったが、いかんせんその題名のように広く人材マネジメントを論じることがあのときのミッションであったため、アセスメントの真の趣旨については筆を尽くせたとはいいがたい。よってもう一度、アセスメントの内容、運営、効果を深彫りしてまとめてみたいと思っていたのだが、繁忙に取り紛れ時を得なかった。今回ようやく機運も熟したので、今後、定期的に一節ずつほぐして著してゆきたい。折々に読者のご意見も頂戴したいと思う。