私は、20年前、日本経営行動科学学会の初代会長でいらした名古屋大学大学院の若林満教授(当時)に教えを受け、監修頂き、いわゆるアセスメント研修プログラムとして、中産連アセスメントプログラム(CAP)の開発に参加した。もちろん私の所属する中部産業連盟は、60年以上の歴史があるから、これ以前にも行動科学を用いたプログラムは種々あったのであるが、アセスメントを現在の形にきちんと編集したのがこの時である。以来、数えきれない数多くのこのプログラムの受講者、その活用企業の教育、人事のご担当者ととともに、マネジメント行動とは何かをずっと考えてきた。それは今や私のライフワークに近い。
他方、受講者からもおりおり、「研修テキストは、あれはあれでよいのだが、あとで読み込むようにできた文章でまとまった書き物はないのですか。」との要望も頂戴してきた。2007年に上梓した「ポスト成果主義の人づくり組織づくり」は、それにこたえるためでもあったが、いかんせんその題名のように広く人材マネジメントを論じることがあのときのミッションであったため、アセスメントの真の趣旨については筆を尽くせたとはいいがたい。よってもう一度、アセスメントの内容、運営、効果を深彫りしてまとめてみたいと思っていたのだが、繁忙に取り紛れ時を得なかった。今回ようやく機運も熟したので、今後、定期的に一節ずつほぐして著してゆきたい。折々に読者のご意見も頂戴したいと思う。
記事一覧
- その1:行動変革のためのアセスメント研修
- その2:アセスメント研修とは 〜人は節目の行動を問われる〜
- その3:マネジメント能力と専門能力
- その4:対人場面と面接演習
- その5:面接演習において「見たくない」ものを見る学び
- その6:面接演習における相手役、部下役の重要性
- その7:面接演習に関する今日的視点
- その8:集団場面と討議演習
- その9:面接と会議はどちらが得意ですか
- その10:討議演習における相談役、委員などの質問役
- その11:個人場面とは意思決定の場面である
- その12:案件処理演習(インバスケット)とは
- その13:体験学習の3要素
- その14:他者からフィードバックしてもらうこと
- その15:同じ場面の他者の行動を観察して学ぶこと
- その16:自然体でのぞむこと
- その17:役割になりきること
- その18:「役割になりきること」への付言
- その19:正解指向にならないこと(自律と自己責任)
- その20:問われるのは行動である①結果と行動の区別
- その21:問われるのは行動である②性格と行動の区別
- その22:問われるのは行動である③動機と行動の区別
- その23:ふたたび、性格と行動の区別
- その24:マネジメント能力要件
- その25:マネジメント能力要件からみる平清盛
- その26:マネジメント能力要件からみる平清盛 その2
- その27:18の標準マネジメント能力要件…活動性
- その28:18の標準マネジメント能力要件…積極性
- その29:18の標準マネジメント能力要件…ストレス耐性①初級的段階
- その30:18の標準マネジメント能力要件…ストレス耐性②マネジメントにおける段階
- その31:18の標準マネジメント能力要件…独自性その1
- その32:18の標準マネジメント能力要件…独自性その2
- その33:18の標準マネジメント能力要件…インパクト
- その34:18の標準マネジメント能力要件…コミュニケーション能力
